SDGs活動報告

赤外線で建物の異変を見つける。外壁調査の技術とSDGsのつながり

マンションやオフィスビル、公共施設など、私たちの身近にある建物。

その外壁には、見た目だけでは判断しにくい劣化が生じていることがあります。

こうした建物の状態を調べる方法の一つが、赤外線カメラを活用した外壁調査です。

今回は、赤外線調査の仕組みと、建物の安全性や持続可能な維持管理とのつながりについてご紹介します。

外壁の「浮き」とは?

建物の外壁に使用されているタイルやモルタルは、経年変化などによって下地との接着状態が悪くなることがあります。

このように、仕上げ材が下地から部分的に離れた状態を「浮き」と呼びます。

浮きが発生していても、外観だけでは確認できない場合があります。

また、劣化が進行すると、タイルなどの剥落につながるおそれがあるため、適切な調査と維持管理が重要です。

赤外線調査は何を調べている?

赤外線調査は、外壁表面の温度分布を赤外線カメラで撮影し、その違いから内部の状態を推定する調査方法です。

外壁に浮きが生じている部分では、日射などによる温度変化の過程で、健全な部分と表面温度に違いが現れることがあります。

この温度差を分析することで、浮きが疑われる箇所を把握します。

外壁を直接たたかずに調査できることが、赤外線調査の大きな特徴です。

ただし、温度差が必ず現れるわけではありません。日射条件、外壁の材質、周辺環境などによって、調査の適用可否や検出精度は変わります。

そのため、赤外線画像だけですべての劣化を判断できるわけではなく、必要に応じて打診などの調査方法と組み合わせることが重要です。

ドローンによる赤外線調査も選択肢に

近年では、赤外線カメラを搭載したドローンによる外壁調査も活用されています。

国土交通省は2022年、建築物の定期報告制度における外壁調査について、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有する無人航空機による赤外線調査を、調査方法として明確化しました。

また、調査精度を確保するためのガイドラインも公表されています。

ドローンを活用することで、高所の外壁を調べる際にも、従来とは異なる調査方法を検討できます。

ただし、すべての建物でドローン調査が適しているわけではありません。

建物の形状や周辺環境、飛行条件、外壁の材質などを確認し、適切な調査方法を選択する必要があります。

調査技術の進歩とSDGsの関係

こうした調査技術は、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」と関連する考え方です。

目標9では、持続可能で強靱なインフラの整備や技術革新を重視しています。

また、目標11では、安全で持続可能な都市や居住環境の実現を目指しています。

赤外線調査などの技術を適切に活用することは、建物の状態を把握するための選択肢を広げ、効率的な維持管理を検討することにつながります。

さらに、調査によって得られた情報を継続的に記録することで、将来の修繕計画や維持管理の判断にも役立てられます。

技術を活用し、建物の未来を守る

建物を安全に使い続けるためには、劣化を早期に把握し、適切な対策を講じることが欠かせません。

そのためには、従来の調査方法に加え、新しい技術の特徴や限界を理解し、建物に合った方法を選ぶことが大切です。

有限会社スギテックでは、赤外線カメラやドローンなどを活用した建物調査・診断に取り組んでいます。

これからも、技術の進歩を建物の維持保全に役立て、安全で持続可能な社会づくりにつながる情報を発信してまいります。

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